職場で現れやすい高次脳の後遺症
私は高次脳の方に向けて「復職教室」や「グループワーク」のプログラムを行っています。その中で以下の表をお見せして「高次脳の方が職場に戻った時に現れやすい症状がいくつかあります。人によって現れる症状は違います。ご自分にも起こりそうだなと思うものがありますか。当てはまりそうなものに〇をつけて下さい」と考えていただいています。
表 職場で表れやすい症状(高次脳による支障)
※人によって様々です
① 聞いたり話したりすることが苦手になる
② 同じことを何度も聞く
③ 大事なアポを忘れる
④ ミスをくりかえす
⑤ 仕事が遅くなる
⑥ 同時に複数の仕事をこなすのが苦手になる
⑦ 仕事の段取りや計画をたてるのが苦手になる
⑧ 臨機応変な対応が苦手になる
⑨ 検品や細かい確認作業が苦手になる
⓾ 疲れやすくなる
⑪ 怒りっぽくなる、泣きやすくなる、落ち込みやすくなる
⑫ 相手の気持ちをさっするのが難しくなる
⑬ 左側を見落とすことがある
⑭ 数字を間違えやすくなる
人によって5つ選んだり1,2つ選んだり反応は様々ですが、「3つにしぼって下さい」とお願いしています。なぜそう思うのか、エピソードも語っていただきます。作業場面でこんなことがあったとか、家でこんなことがあったと具体的な例をあげていただきながら話していただきます。
ご家族が一緒に来ていたら、ご家族にも答えてもらっています。私たちは、ご家庭での様子を知らないので、そういう意味でとってもいいんです。
グループワークですと、他の人の発言から自分にも思い当たることがあるとか、話が広がっていきます。
職場に戻った時に自分にどんな後遺症が出てきそうかを考えてみる。いきなり「どんな後遺症がありますか」と聞くよりも上の表のように具体例を示しながら聞く方が考えやすくなります。そして考える材料は日常生活や作業の中での経験です。
自分にも仕事上で何か問題が起こりそうだと予想ができると、その対策方法を知りたいとか、対策方法を身につけたいと思うようになります。何らかの準備をしてから復職をしようと思うようになります。