会議の場で現れる高次脳機能障害
模擬会議の場で現れやすい高次脳機能障害があります。
1 記憶障害
・自己紹介で同じことを繰り返して言う
・前回の会議の内容をすっかり忘れている
・直前の他人の発言に引きずられて以前の自分の発言と違うことを言
う
2 注意障害
・議事録作成で文字や数字の書き間違いをする
3 数字を扱うのが苦手に
・暗算がスムーズに出来ない(ワーキングメモリーの低下の影響)
・会議の中で数字情報を素早く引き出せない
・会議が進む中で与えられた前提条件(金額や数)を適切に想起して
情報を統合して考えられない
4 聞きながら考えたりメモをとったりするのが難しい
・一度に複数の情報処理が難しい
5 聞き落としや誤解
・注意容量の低下、ワーキングメモリーの低下の影響
6 注意の切り替えが難しい
・気になることや同意できないことがあるとその後の会議の流れに乗
れなくなる
「ハツカネズミのように同じ所をどうどうめぐりする」
「ドブ川のようにゴミがひっかかると流れなくなる」
「情報の上書きができない」(参加者の振り返りの言葉)
7 話がかみあわない、話のポイントがずれる
・会議の全体構造の把握が困難でポイントがずれた発言になる。
・簡潔に発言することが難しい。また、複数のポイントを話すために
話の筋がそれやすい。
・資料作成にストーリーがなく、分かりづらい資料となっている(構
成能力の低下)。話を分かりやすく組み立てることが難しい。
・司会の役割をうまく進行できない。
8 社会的認知の低下、感情的になる
・他人の発言にうなずいたりしない。聞き手の反応に無頓着で他人の
発言をあからさまに否定する。会議の沈黙に気がつかない。
・怒りを感じたり、落ち込んだりする