復職支援 会社あての手紙

私は会社を休職中の方に就労移行支援事業所で復職支援をしています。

復職支援の内容は大きくは、①ご本人向けの支援と②会社とのやりとりの支

援に分かれます。

 

 1 ご本人向けの復職支援

  ・通所することによって体力、集中力を向上させる

  ・作業を体験する中で後遺症の影響を知る

  ・後遺症の代償手段を身につける

 

 2 会社とのやりとりの支援

  ・いつ頃に会社との連絡をとるのか

  ・いつ頃復職したいのか

  ・何を会社に伝えるのか

 

 この2番目の会社とのやりとりの支援は休職期限の遅くても6カ月前ぐらいには始めたい。1番目のご本人向けの支援が半年程度は進んでいて、ご本人も体力に自信がつき、ご自分の後遺症について理解が出来るようになっていることが望ましい。復職の準備状況をご本人がある程度説明できるようになっている必要があります。

 

 会社と正式に復職の話し合いをすることを私は「ファーストコンタクト」と呼んでいます。単なる近況報告ではなく「復職の話を進めたい」「自分としては〇〇頃に復職したいと考えている」と会社に伝えるための接触です。

 

 ファーストコンタクトのアポイントメントはご本人が会社に電話をして行う。

その時に就労移行支援事業所から会社あてに次のような「復職支援のサービスのご案内」の手紙を出すことがあります。

 

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                          令和 年 月 日

〇〇〇株式会社

人事部 ご担当者様

                         △△△就労センター

                         施設長 〇〇 〇〇

 

   貴社社員 〇〇様に関する当センターのサービスのご案内

 

 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

突然のご案内で恐縮ですが、当センターは就職や復職を目指す障害者の方々に就労支援を行う施設で、法律上は障害者総合福祉法に基づく就労移行支援事業所です。

さて、この度は貴社社員〇〇様の了解のもとご連絡させていただきます。〇〇様におかれましては本年〇月より当センターをご利用いただき毎日通所にて復職に向けて体力の向上や職業的な準備の訓練を受けていただいております。現在、貴社を休職中とのことで、当センターのサービスのご案内をさせていただきます。

なお、復職の可否・適否のご判断は貴社の社内問題として認識しております。下記のご案内も貴社のご判断において必要なものがありましたらご活用下さい。以上の趣旨をご理解の上、ご多忙中恐縮ですがご検討いただければ幸いです。

                                敬具

     

                 記

 

 ご本人様のご要望、ないしはご了解を前提に次のようなサービスを用意しております。全て公的サービスであるため貴社における費用負担は一切生じません。

 

 1.ご本人様の現状のご報告をすること

 2.他社での同様の事例についてご紹介すること

 3.復職の場合は職務再設計のお手伝いをすること

 

*ご説明にあたってはスタッフが貴社に伺う、ご来所していただいてスタッフがお伝えする、書面でお送りする等が可能です。

                        以上

 

                       お問い合わせ

                      就労支援員 〇〇 〇〇

                 TEL :04△-2〇1-6△4〇

                 E-mail :〇×□@〇〇△

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 この手紙で大事なのは「復職は貴社の社内問題と認識しております。社内問題に干渉する意思はございません。もし、就労支援の場での現状を聞いてみたいとお思いでしたらご連絡下さい」とアプローチしているところです。

 

 この手紙を出すとおおよそ70パーセントの会社からリアクションがあります。電話やメールで問い合わせがあったり実際にお会いすることもあります。ファーストコンタクトの場に同席を依頼されることもあります。その後の復職の打ち合わせに継続的に関わらせていただくこともあります。

 

 リアクションがあったとしても復職につながるとは限りません。リアクションがなくても復職する方もいらっしゃいます。ただ、リアクションがあった会社とは当方の就労移行支援事業者が復職に関わらせていただいているので復職後に何かあった時にまた関わらせていただくことも可能となります。会社からも頼りにされる関係となる、その第一歩となるのがこの「会社への手紙」です。