高次脳機能障害の気づきを促す模擬会議プログラム(1)
高次脳機能障害の方の復職や新規就職を難しくする要因の一つに「病識の持ちにくさ」がある。心理検査や職業検査の結果を示しても実際の職場では大丈夫であると主張されることが多い。私が勤務する就労移行支援事業所では作業を体験していただいたり、グループワークに参加していただく中で高次脳の気づきを促す支援をしている。
今回はそのグループワークの一つ、模擬会議について紹介する。
1 模擬会議の概要
(1) 模擬会議の目的
会議という場を経験することで自分に起こっている障害についての
理解を深め、障害を補う方法を習得する。
(2) 参加者
高次脳機能障害や身体障害が職務に影響を及ぼすことが想定される方
今後の職務で会議参加が想定される方
(3) 内容
初回 オリエンテーション、自己紹介
第2回~6回 テーマに沿った会議の実施
議事録、提案書の作成、司会や書記も体験
2 模擬会議のテーマ
A社の福利厚生のための組織「親交会」の新給付事業について
(1)A社の概要と会議参加者の設定
- 従業員総数は100名
- 会社は5つの課から構成されている
- 1つの課に20人の社員がいる
- 社員の年齢構成
20代 20%
30代 30%
40代 30%
50代以上 20%
- 社員の男女比率と既婚率
男女比率(男 40%、 女 60%)
既婚率 (男 40%、 女 50%)
- 参加者は各課の親交会委員
(2)親交会の概要
- 親交会は社員の福利厚生のための自主的組織
- 入社と同時に強制加入
- 全社員から毎月2000円の会費を給料から自動引き落とし
- 親交会給付事業は資料1のとおり
- 積立金がこの30年間で300万円たまっている
(3)会議の議題
積立金を有効活用するために
- 現行の給付事業の見直しを行う
- 新給付事業のアイデアを出す
※ 検討の3つの視点: 社員のニーズにあう、社員に喜ばれる、新しい
3 親交会の給付金一覧
種 別 |
給 付 事 由 |
給付額等 |
出産祝金 |
職員・配偶者が出産したとき |
20,000円 |
入学祝金 |
職員の子が小・中学校に入学した時 |
20,000円 |
結婚祝金 |
職員が結婚するとき (ただし、既に結婚祝金の給付を受けた者を除く) |
30,000円 |
結婚記念祝金
|
会員が結婚して24年たったとき (ただし勤続3年以上に限る) |
10,000円 |
災害見舞金 |
水害・地震・火災その他の災害により住居・家財に損害を受けたとき |
100,000円 以内 |
弔 慰 金 |
職員が死亡したとき |
100,000円 |
配偶者が死亡したとき |
50,000円 |
|
父母・子が死亡したとき |
20,000円 |
|
その他の家族(同居)が死亡したとき |
10,000円 |
|
葬儀補助金 |
職員・家族が死亡し、装具、霊柩車を使用したとき (葬儀執行者に限る) |
50,000円 |
療養見舞金 |
職員が同一疾病について1月以上療養したとき |
30,000円 |
永年勤続者
祝金 |
勤続 5年 勤続10年 勤続15年 勤続20年 勤続25年 勤続30年 |
10,000円 20,000円 40,000円 50,000円 70,000円 100,000円 |
退会記念品代 |
在会1年につき5,000円(商品券) |
5,000円 以上 |
備考 災害見舞金の給付額は会長が別に定める。 |
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職員レク 補助事業 |
各課における会員相互の親睦のためのレクリエーション等を推進するため、各課に一人8,000円を支給する。 |