コンサルなき退院

 私はある就労支援施設で高次脳の方の復職支援アドバイザーをしている。

 私の施設にAさんが復職をめざして通い始めた。話を聞くと休職期限まであと3か月しか残っていなかった。3か月では復職準備でできることは限られている。通所頻度を週3から徐々に伸ばして週5通える体力をつけることを目標とするぐらいしかできない。通常は最低でも6カ月程度は復職準備にほしいところだ。

 Aさんが回復期リハ病院を退院したのが約1年前だという。その間、何をしていたかというと介護保険の訪問リハを受けているだけだった。

 回復期リハ病院を退院する時に「休職中の人はどんなサービスを利用して復職の準備をするとよいのか」というコンサルテーションがまったくなされていなかった。このコンサルテーションがなされていたらAさんが無為に在宅生活を送ることは防げただろう。

 Aさんは発動性も低下しているので自分から早く会社に戻りたいとアクションを起こすこともなく、何もしないまま休職期限が迫ってきたことを心配した奥さまが動いて私の施設につながったのだった。

 Aさんは結局会社に戻ることはできなかった。私はAさんの経験から、病院に入院中の方々に「休職中の人はどんなサービスを利用して復職の準備をするとよいのか」という情報発信をしていこうと決めた。

 2022年1月からTwitterでつぶやき始めた。2月3日から本ブログでの発信も始めた。